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産後ケアのNPO法人マドレボニータ オフィシャルブログ

2013年5月28日火曜日

【後編】3/2産後研究会・第一回勉強会「新生児訪問を語ろう」開催報告

こんにちは!マドレボニータ事務局の吉竹雅子です。
自己紹介ーマドレブログ

本日は、産後研究会のスタッフで前回の振り返りと、次回に向けてのブレストをしました。いろいろなアイデアが出て、ワクワクしております。詳細きまりましたらまたお知らせしますね。

さて、先日3月2日(土)に、開催しました、マドレボニータの新しい取組み・挑戦でもある
「産後研究会」の第一回勉強会『新生児訪問を語ろう』の開催報告、【後編】をお届けします。
【前編】はこちら

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当日の様子です。

まずは辻優子さんからの開会のごあいさつ。
「産後白書プロジェクト参加以来、マドレボニータの活動を陰ながら支援してきた。
産後ケアを医療と連携させたいという思いに共感して実行委員に」


続いて司会の佐藤孝子さん。
「都内私立大学のNICUの看護師で3女の母。
医療従事者だけでなく産後ケアをさまざまな立場から支えていきたい」


そして、代表の吉岡マコのごあいさつ。
「産後ケアと医療従事者の連携の仕方に決まった答えは無い。
まったく新しい形が必要だとおもう。
新しい時代の産後のあり方を考えていきたい。」

「この会はマドレボニータ初(発)、かつ会員さん主体で運営している。
『マドレボニータが何か言っている』ではなく、
ご参加者一人一人が思いや意見をもつ場として参加していただきたい。」


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【第一部】では、「新生児訪問の現状、取り組みについて」
実行委員メンバーの私がプレゼンテーションを担当。産後研究会 プレゼン.jpg

日本で、「新生児訪問」が開始されたのは、昭和36年。
実は歴史がけっこう古いのですね。

訪問は医師・助産師・保健師が担当、
翌年からは「妊産婦訪問指導」が開始され、
今につながる制度はこの時期にスタートしたそうです。

一方、「こんにちは赤ちゃん」事業は、平成21年から。
虐待防止の観点から制度を開始。

担当は専門家だけでなく、民生委員、児童委員、子育てサポーターなど。
地域によって様々ですが、一市民へも門戸を広げている自治体も多いそうです。

また、産後の母は、出産の疲労に加え育児負担で心身に体調きざしやすいうえに、
現代は、核家族・少子化がすすみ、周囲に頼れないという背景も。

私は新生児訪問については、まったくの素人、でも今回この会をきっかけに、
勉強し、自分の住む地域の新生児訪問の窓口に出向き、
いろいろと勉強させていただきました。

もし私も全国各地での取り組みや、自分の住む地域での取り組みを
妊娠中に知っていたら、もっと有意義に活用できたかもしれません...

その後、プレゼンを受けて、渡邉さんより、新生児訪問が始まるもっと前、
歴史的背景ふまえて現在の新生児訪問の仕組みや各地での取り組みについて
お話しいただきました。


【第二部】では様々な事例をもとに、ディスカッションを。
サミットでもおなじみのマドレボニータのお家芸?「寸劇」も登場!産後研究会 寸劇.jpg

事前に会員さんからいただいた事実に基づいた事例をもとに、
それぞれが思ったこと、考えたこと、こうしたらよかったのでは?
ということをワークシートに記入して、皆で振り返り、
ディスカッション。

事例にたいして、「あれがよくない」「これがだめ」というのではなく、
「提供側」「産後女性」「家族」というそれぞれの立場に置き換え、
其々が新生児訪問の今後に活かせることは、と、
実行委員メンバーが作成したワークシートを用いて
立場の違いを越え、話すことができ、

産後女性に関わる専門家の方だけでなく、私たちスタッフ含め、
一市民の私たちが何ができるか考え、深め、共有でき、
参加者ひとりひとりが言葉を紡ぎ、皆でじっくり語り合い、
深め合うことのできる会となりました。

これまで「新生児訪問」について、沢山講演されてきた
ゲストの渡邉さんにおいてもこのテーマで語れたのははじめてだったそうです。

~~ご参加者の感想より~~~~

*職種を超えて産後ケアについてアツく話せる場ができたことって、
本当にすごいと思いました。

*様々な発言が次々とあり、スタッフのみならず参加者の皆様が、
新生児訪問を受け手に取って意味と満足のあるものにしたいという、
質を問う訴えをしていらっしゃるように感じ、大変勉強になりました。

先日テレビの朝のニュースでも産後ケアを取り上げていましたが、
豊かな産後を迎えたいというニーズはまさに高まっていると実感しました。

*今日集まる皆さんが意識を高くもっていてうれしく思いました。
現場で最前線で活動している医療従事者だけでなく、
市民だからこそできることもあるのではと思いました。


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マドレボニータでは、このように、
「産後」をテーマに勉強会を開催すること、
また、会員さんが主体となって活動するプロジェクトも、
新しい取り組みです。

今回は、会員さんとともに、会に向けて活動できたこと、
「産後ケア」を切り口に、力を発揮していただけたことがとても嬉しく、
今後もこうしたパワーを存分に発揮して頂く機会を設けていきたいと思っています。

また、これからも、「~~を語ろう!」シリーズとして、
周産期医療に関わる専門家を招いての勉強会を続けていく予定です。

会員のみなさまへは、ブログやメールレターでご案内させていただきますね。
どうぞご期待なさっていてください!

第一回勉強会にお越しくださったみなさま、
お声をお寄せいただきました会員のみなさま、
ご協力いただきまして、本当にありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(文責:吉竹雅子)

2013年5月10日金曜日

マドレボニータ流、組織のあり方とは?~SRフォーラム2013事例紹介~

こんにちは、マドレボニータ事務局の北澤ちさとです。


最近、マドレボニータ事務局として
外部の場に呼んでいただく機会が増えました。

5月10日には、昨年のパナソニックNPOマーケティングプログラム以来、
色々なところでお世話になっている
NPOサポートセンターさんからご紹介をいただき、
「SRフォーラム2013 
"四方よし"で実践、NGO/NPOの社会的責任(SR)実践事例を学び、SRに取り組もう!」

というフォーラムにて、マドレボニータの事例をお話させていただきました。


「社会的責任」というと非常に固い感じではありますが、
CSRに関する国際規格であるISO26000では、
組織が、利益や目的の追求だけではなく、組織としてのありかたを
しっかりと考え、実行していくためのガイドラインが掲げられています。

「中核課題」として、
1.組織統治、2.人権、3.労働慣行、4.環境、5.公正な事業慣行
6.消費者課題、7.コミュニティ参画及び開発の7つがあります。
今回のフォーラムでは、全体会のテーマ
「NPO/NGOが、SRにとりくんで"四方よし"になるには?」に沿って、
マドレボニータ事務局の働き方をこんなかたちで紹介させていただきました。

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「個人のライフステージにあわせた柔軟性のある働き方を実践する」
 ~日本の母子保健に欠けていた「産後のヘルスケア」を研究・開発・
普及するNPO法人マドレボニータが実践する、インストラクターや
スタッフの生活に合わせた柔軟な働き方のしくみの実践など、
SRの取り組みを紹介いただきます。
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転勤に伴う妻の退職、
夫を支えるために妻は退職、
妊娠や出産を理由に仕方なく退職………

こういった事例はよく聞きますが、
働きたいという情熱や、実際に本当は世に役立てるスキルをもっていても、
組織の都合に従わざるを得ない、ということですよね。
少なくとも、これからの将来このままでよいのでしょうか。

マドレボニータは、オフィスを持たない小さな団体ながらも、
ITツールや、「朝メール夕めーる」などのK.U.F.U.(工夫)、
そして何より働く仲間のことを思いやり、それぞれのライフスタイルを
尊重するために時間と言葉を尽くして日々業務に取り組んでいます。

スライドより…

パートナーの転勤をハンデとせず、「新しい地域に進出☆」と思える
(実際にそうなる!)働き方なのです。

例えば、産後クラスのない三重県に転居した事務局のマッキーも、
市の後援も得て講座を開催したり(☆詳細はこちら
「ビッグママ」という名の人事部では、受けとめ上手、ツッコミ上手な事務局スタッフ
くろろんとまさこっちが、ひとりひとりと「井戸端スカイプ」と称した面談をしてくれます。

ご一緒させていただいた
NPO法人ハンガー・フリー・ワールドさんのプレゼンでは、
ISO26000に沿った取り組みの数々をご紹介いただき
非常に参考になりました。


印象的だったのは…
ハンガー・フリーワールドさんでも、スタッフが自分で「取扱説明書」を
つくってシェアしあい、よりお互いのことを理解できるよう努めておられるそう。
やはり一番大切なのは「働くひとの思いを分かち合うこと」
なのだなあ!と腑に落ちました。ありがとうございました!

その後の分科会では、
「NPOだからこそ、組織の社会責任にもしっかりとりくむ!
   ~自組織のSR課題を特定してロードマップを作成しよう!」というセッションに参加。

IIHOEの川北さんや、かものはしプロジェクトの山元さんなど
日頃からNPOとしてのあり方を発信されている方々から、
直にお話を聴ける貴重な機会。

質疑応答をその場で記録して、スクリーンに映していく手法、
初めて拝見しましたが、これはわかりやすい★


参加させていただいて思ったのは、
よく事務局内で組織について話題に上る、
「もっとちゃんとしないと…」「整えないと…」と思う点を、
具体的に解決するためのヒントが「SR」という考え方だということ。

ライフスタイル、熱意、想い…ひっくるめて人を大切にしながら
仕組みを作っていくマドレボニータの運営スタイルを大切に、
今日の学びを生かしてもっともっと味のある組織にしたいと気持ちを新たにしました
貴重な機会をありがとうございました!

【文責:マドレボニータ事務局 北澤ちさと】